15社全体動向アップデート 2026年6月号 ─ 上場関連7社+非上場8社の最新動向
本誌が比較対象とする15社(上場関連7社+非上場8社)の2026年5月〜6月初旬の動向を独立系メディアの視点で総点検する特集号だ。Monthly Report 2026年6月号で扱った上場関連7社の決算動向に加え、本号ではレバテック・Findy・PE-BANK・フォスター・ITプロパートナーズ・テクフリ・TechHero・Emilyの非上場8社の最新動向もカバー。上場企業の決算データだけでは見えない、非上場ベンチャー・大規模プライベートカンパニーの動きと、業界全体の構造変化の交点を読み解く。
今月の3大トピック
- 上場7社は決算で動向確認、非上場8社は事業展開とプレスリリース動向で総点検:上場7社(売上規模 全部合計で約1.85兆円)はIR開示で動きが鮮明だが、非上場8社の動向はプレスリリース・サービス公式の発信に依拠。本号で総点検する
- 非上場でも事業規模が圧倒的なケース:レバテック(レバレジーズ)は単体で年商数百億規模・登録エンジニア多数で業界最大手の一角。Findyは未上場ながら2025年シリーズD 20.5億円調達でアジア展開を加速。「上場・非上場」だけでサービスの優劣は決まらない
- AI普及で各社の役割分担が再定義:クラウドワークス・ランサーズはAIによるワーカー需要変化への対応が論点に、TechHero・テクフリは「マージン10%固定」の透明性で新規参入、INTLOOP(TECH STOCK)は大手SI×AIで急成長。エンジニアが選ぶ目利き力が問われる局面
編集部の評価:上場関連7社の決算は5月〜6月初旬に出揃ったが、本誌の編集スタンスは「上場・非上場を問わず、15社すべてを横並びで評価する」こと。本号では非上場8社の動向も含めて、業界全体を独立系メディアの視点で総点検する。
業界データ ─ 単価のシニア/ジュニア二極化が加速
主要エージェント10社の単価動向(前月比・2026年6月時点)
| エージェント | 平均月単価(5月) | 前月比 | 動向 |
|---|---|---|---|
| Tech Stock | ¥948,000 | +0.6% | 大手プロジェクト継続強い |
| レバテックフリーランス | ¥852,000 | +0.6% | AI関連案件比率が前月+8pt |
| HiPro Tech | ¥834,000 | +0.8% | 金融・コンサル案件が牽引 |
| Midworks | ¥808,000 | +0.6% | TWOSTONE&Sons上方修正と連動 |
| テクフリ | ¥790,000 | +0.6% | 3ヶ月単価交渉が定着 |
| Findy Freelance | ¥785,000 | +1.2% | AI活用度の高い層が牽引 |
| ランサーズTA | ¥767,000 | +0.5% | クラウドワークス構造改革で需要シフト |
| TechHero | ¥730,000 | +0.7% | 新規登録が前月比+15% |
| ITプロパートナーズ | ¥688,000 | +0.7% | 週3案件への分散傾向継続 |
| フォスター | ¥725,000 | +0.4% | 大手SI老舗案件で安定 |
経験年数別の単価動向
| 経験年数 | 5月平均 | 前月比 | 3月比 |
|---|---|---|---|
| 1-3年 | ¥497,000 | -1.2% | -2.9% |
| 4-7年 | ¥805,000 | +0.4% | +1.0% |
| 8-12年 | ¥1,074,000 | +1.1% | +3.6% |
| 13年+ | ¥1,408,000 | +2.2% | +7.5% |
15社の動向 ─ 上場7社の決算+非上場8社の最新ニュース
ギークス、2026年3月期 営業利益+76.7%のV字回復を達成
ギークス(7060)が通期決算を発表。売上263.75億円(前期+4.8%)・営業利益8.75億円(前期+76.7%)。ゲーム事業(G2 Studios)の売却を経て、IT人材事業集中による収益V字回復が決算データに鮮やかに表れた。海外IT人材事業も黒字転換、4Q売上は67.07億円と過去最高を更新。2027年3月期は売上283億円(+7.3%)・営業利益10億円(+14.2%)と2桁億円台への到達を目指す計画。
クラウドワークス、機関投資家の保有比率が低下 ─ 構造改革局面の継続
クラウドワークス(3900)に関する大量保有報告書が5月21日に提出され、三井住友DSアセットマネジメントの保有比率が5.01%→3.67%(-1.34pt)に低下。同社は2026年9月期に最大25.5億円の成長投資・不採算事業整理を計画し、通期売上200億(-11.7%)・営業損失約10億円を見込む。Q1は営業利益5,400万円(前年同期比-84.4%)と大幅減益で着地。
TWOSTONE&Sons、通期業績を上方修正 ─ Midworks事業の拡大基調
TWOSTONE&Sons(7352)が2026年8月期通期業績を上方修正。売上241.82億円、当期純利益6.6億円へ。第2四半期売上は106.61億円(前年同期+19.66%)と大幅伸長。一方、Midworks事業を中心とした採用投資により純利益は前年比-42.03%減(3.13億円)と短期的に圧迫。会社は「成長最優先・採用投資先行型」の姿勢を明示。
みらいワークス、2Q決算で売上+2.2%・プロ人材登録9.6万名突破
みらいワークス(6563)が2026年9月期2Q決算を発表。売上58.46億円(前年同期+2.2%)・営業利益2.53億円(同+2.0%)。プロフェッショナル人材登録数は96,000名を超え、コンサル・上流IT人材市場の拡大基調を維持。通期予想(売上130億・営業利益6億)は据え置き、2H加速を見込む。
ランサーズ、2026年3月期 売上+18.5%・収益化フェーズへ転換
ランサーズ(4484)が2026年3月期通期決算を発表。売上54.37億円(+18.48%)・純利益0.91億円。2027年3月期は売上63億(+15.87%)・純利益2.5億(+174.73%)を計画。クラウドソーシング型からエージェント型「Lancers Top」「Lancers Agent」への業態転換が進行中。AI普及によるワーカー需要変化は、クラウドワークスと同様の構造課題。
INTLOOP(TECH STOCK運営)、5年で売上4.7倍の超高成長を継続
INTLOOP(9556)は2025年7月期通期で売上335.52億円(+23.91%)・営業益21.86億円(+45.1%)・純利益13.68億円(+51.63%)を達成。5年で売上4.7倍、純利益37.6倍、5年平均CAGR売上36.2%・純利益106.59%という驚異的な成長率。2030年売上1,000億・営業利益150億目標を掲げ、JPXスタートアップ急成長100指数の構成銘柄に選定。伊藤忠商事との資本業務提携、プロフェッショナルフリーランス登録5万人突破など外部評価も追い風。
パーソルHD(HiPro Tech親会社)、3期連続最高益を達成
パーソルホールディングス(2181・東証プライム)が2026年3月期通期決算を発表。連結売上収益1兆5,558億円(+7.2%)・営業利益665億円(+15.8%)・純利益426億円(+19.0%)で過去最高更新、3期連続最高益。HiPro Techが属するTechnology SBUは売上1,248億円(+8.8%)・営業利益87億円(+13.8%)と継続増益。2027年3月期は売上1兆6,650億・営業利益710億を計画、配当も11.5円→13円へ増配。
レバテック、AI関連案件特集ページを新設・22,000件超を一元化
業界最大手のレバテック(株式会社レバレジーズ、未上場)が、AI関連案件の特集ページを5月に新設。フリーランスエンジニア向け案件サイトで22,000件超のAI関連案件を一元化、平均年収876万円・登録No.1という規模感を訴求。レバレジーズグループ全体では年商数千億円規模、未上場でありながら本誌15社中最大級の事業規模を維持している。
Findy、シリーズDで20.5億円調達・アジア進出を加速
ファインディ株式会社(未上場)が2025年5月、シリーズDラウンドで国内外の投資家から総額20.5億円を調達。資本金18.5億円規模に拡大、インドに続いて韓国・台湾へ進出予定、3年でアジアでの導入企業1,600社を目指す。Findy Team+(開発生産性可視化SaaS)、Findy(IT/Webエンジニア転職)、Findy Freelance(ハイスキルフリーランス)の5サービスをグローバル展開。
PE-BANK、約2,000名のプロエンジニア基盤を維持・30年超の老舗の安定運営
株式会社PE-BANK(MCEAホールディングス傘下、未上場)は、約2,000名のプロエンジニア基盤を維持しながら、30年超にわたるITフリーランス支援の老舗としての地位を継続。協同組合発祥・福利厚生重視・スキルアップ支援の独自モデルで、安定指向のシニアエンジニア層に強い支持を獲得している。
フォスターフリーランス、25年以上の老舗・登録2万人超を維持
株式会社フォスターネット(未上場)が運営するフォスターフリーランスは、25年以上の運営実績・登録2万人超の老舗フリーランスエージェント。商流が浅い直請け案件が中心、コーディネーターの質と高単価案件のバランスで、エンジニア満足度90%以上を維持している。
ITプロパートナーズ、登録者9万人超・「週3日案件」特化で成長継続
株式会社Hajimari(未上場)が運営するITプロパートナーズは、起業家・フリーランス向けの「週3〜4日からの常駐/リモート案件」に特化したエージェント。登録者数9万人超、利用企業3,000社以上に拡大。スタートアップ起業家・副業エンジニアなど「フルタイム以外の働き方」を選ぶ層から強い支持を受けている。
テクフリ、マージン10%公開モデルで透明性訴求・常時1万件超の案件
株式会社アイデンティティー(未上場)が運営するテクフリは、マージン率10%を公開する透明性モデルが特徴。常時1万件以上の案件、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県周辺で「3人に1人が年収アップ」と訴求。福利厚生サービス「ITフリーランスコンソーシアム」の充実度も差別化要因。
テクヒロ、新規登録+34%・「マージン10%固定」で新規参入
株式会社テクノロジスト(未上場・2023年設立)が運営するテクヒロ(TechHero)は、「マージン10%固定」をコア訴求として2024年4月にリリース。新規登録数は対前年比+34%、案件数も563件→順次拡大中。代表者の業界経験を活かし、「仲介マージンのブラックボックスをなくす」という業界アンチテーゼで支持を獲得。
エミリーエンジニア(Emily)、ベンチャー特化で月単価127.5万円水準を維持
株式会社ビスタクルーズ(未上場・2006年設立)が運営するエミリーエンジニアは、IT/Webエンジニア向け案件で平均単価127.5万円水準を維持。「関東圏の日中フル稼働ができる業務経験者」向けの高単価案件中心、独立したてのフリーランスにも手厚いサポート。10年以上のコンサルティング会社実績から、独自案件・直案件比率の高さが特徴。
フリーランス保護法、施行1年で勧告・指導445件 ─ 2026年1月には取適法施行
公正取引委員会が、フリーランス保護法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の施行1年累計データを公表。勧告・指導の累計が445件に達し、書面交付義務違反・支払遅延・一方的な代金減額等が主な是正対象。2026年1月1日には「中小受託取引適正化法(取適法)」も施行され、「面的執行」の強化により事業所管省庁にも指導権限が付与される。
事業会社・採用・規制ニュース
Findy調査:フリーランス平均月単価80万円、AI活用層は84万円
ファインディ株式会社が運営する「Findy Freelance」が、登録するフリーランスエンジニア265名を対象に2026年最新調査を実施。平均月単価は約80万円、時間単価は前回調査の5,138円から5,319円へ上昇。「AIを活用してコードの50%以上を生成する層」の平均月単価は84万円前後で、活用度が低い層(25%以下)と比較して約10万円高い結果に。エンジニアの81.9%がAIによる生産性向上を実感している。
金融・コンサル業界、2026年下半期エンジニア業務委託枠を拡大
主要金融機関とコンサルファームが、2026年下半期に業務委託エンジニアの活用枠を前年同期比+15〜25%拡大する方針を相次いで発表。アクセンチュアやリクルートHDなど大手の動きは、みらいワークスの主要顧客にもあたり、プロ人材登録9.6万名突破の追い風となっている。
2026年1月施行の取適法に向け、企業のコンプライアンス対応が本格化
2026年1月1日施行予定の「中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法改正)」に向け、業界各社が対応準備を加速。従来の下請法と異なる「面的執行」が強化され、公正取引委員会・中小企業庁に加え事業所管省庁の主務大臣にも指導権限が付与される。協議に応じない一方的な代金決定の禁止、報復措置への保護強化が新規追加。
SES業界、AI普及による多重下請け構造の見直し圧力
日本ITエンジニア労働組合(2025年設立)の活動が活発化し、厚生労働省が「IT業界の多重下請け構造」について実態調査を開始。適正な労働時間管理とマージン率の透明化を求める声が高まっている。同時に、AIツール普及によって従来の人月ベースの開発単価モデル自体が見直しを迫られる局面に。
上場企業の組織・人事動向
ギークス、子会社アライヴを吸収合併でSeed Tech事業を強化
ギークス(7060)は2026年4月1日付で子会社の株式会社アライヴを吸収合併し、同事業をSeed Tech事業へ統合。海外IT人材・オフショア開発・IT人材育成事業の体制を強化。同社は2027年3月期に営業利益2桁億円(2022年3月期以来)の達成を目標として明示。AI関連エンジニア獲得を中期戦略の柱に据える。
みらいワークス、プロフェッショナル人材登録9.6万名突破
みらいワークス(6563)のフリーコンサルタント.jp登録人材が96,000名を超えた。コンサル経験者・上流IT人材の市場拡大基調を反映。主要顧客にアクセンチュア・リクルートHDなど大手を抱え、業務委託でハイレベル人材を必要とする企業からの引き合いが堅調。2026年9月期通期予想は売上130億・営業利益6億(+111%)を据え置く。
米国テック大手のAI推進レイオフ、2026年累計1.5万名超に
米国テック大手のAI推進に伴う組織再編レイオフが、2026年1月〜5月累計で1.5万名を超えた。当初予測(年間1.2万名)を5月時点で既に上回るペース。AI活用による生産性向上の見込みで、エンジニア組織の絶対数を圧縮する動きが定着。一方、AI/ML・LLM実装専門人材の採用は引き続き活発。
15社総点検 ─ 上場・非上場を横並びで読む業界マップ
本誌の編集スタンスは「上場・非上場を問わず、15社を横並びで評価する」こと。フリーランスエンジニアにとって本当に重要なのは「その会社が上場しているかどうか」ではなく、「案件供給の安定性」「単価条件」「サポートの質」「経営の継続性」の4軸だ。本号では15社全体を、これらの軸で俯瞰する独自マップを提供する。なお上場企業分析のデータも併せて参照されたい。
15社全体の事業規模・スタンス・主要訴求点
2026年6月10日時点での15社の事業規模・上場区分・主要訴求点を一覧する。上場7社(売上規模合計約1.85兆円)と非上場8社では情報開示の質が異なるが、エンジニアが見るべき軸は同じ「案件供給」「単価」「サポート」「継続性」だ。
| 社名 | 運営会社 | 上場区分 | 主要訴求点 |
|---|---|---|---|
| // 上場関連7社 | |||
| Midworks | TWOSTONE&Sons | グロース(7352) | 給与保証・福利厚生・大手案件比率高 |
| crowdtech | クラウドワークス | グロース(3900) | クラウドソーシング国内最大級・エージェント転換中 |
| geechs job | ギークス | スタンダード(7060) | 2007年創業のITフリーランス老舗・リモート率高 |
| Lancers TA | ランサーズ | グロース(4484) | Lancersクラウドソーシングとの連動・新生銀行・パーソル提携 |
| TECH STOCK | INTLOOP | グロース(9556) | 業界最速の支払サイト・大手SI案件・5年売上4.7倍の急成長 |
| HiPro Tech | パーソルキャリア | プライム(2181)親会社 | エンド直契約・中間マージン抑制・doda連動 |
| フリーコンサル.jp | みらいワークス | グロース(6563) | コンサル・上流案件特化・登録9.6万人 |
| // 非上場8社 | |||
| レバテック | レバレジーズ | 未上場(大手) | 業界最大手・登録No.1・AI関連案件22,000件 |
| Findy | ファインディ | 未上場(IPO準備中) | シリーズD 20.5億調達・アジア進出・GitHub連動 |
| PE-BANK | PE-BANK | 未上場(老舗) | 30年超の運営実績・約2,000名のプロエンジニア基盤 |
| フォスター | フォスターネット | 未上場(老舗) | 25年運営・登録2万人超・コーディネーター質高 |
| ITプロパートナーズ | Hajimari | 未上場(中堅) | 週3案件特化・スタートアップ案件比率高・登録9万人 |
| テクフリ | アイデンティティー | 未上場(中堅) | マージン10%公開・常時1万件超・福利厚生充実 |
| テクヒロ | テクノロジスト | 未上場(新興) | 2023年設立・マージン10%固定・新規登録+34% |
| エミリーエンジニア | ビスタクルーズ | 未上場(老舗) | 2006年設立・平均単価127.5万円・独自案件比率高 |
※ 詳細な5年推移グラフは上場企業分析ハブの比較グラフ(売上高/営業利益/営業利益率/時価総額の4タブ切替)を参照。
15社を横断する5つの戦略アーキタイプ
15社の動向を整理すると、「上場・非上場」「会社規模」だけでは見えない、5つの戦略アーキタイプが見えてくる。エンジニアが選ぶ際の参考軸として整理しよう。
アーキタイプ① 選択と集中で復活 ─ ギークス(上場・スタンダード)
ギークスはゲーム事業を売却してIT人材事業に集中。2024/3期営業利益0.9億→直近本決算8.75億(+76.7%)のV字回復。エンジニア側から見ると、IT人材事業に集中した会社の方が「案件供給の安定性」が高い。ギークス分析を参照。
アーキタイプ② 超高成長・投資先行 ─ INTLOOP・TWOSTONE&Sons(いずれも上場)
INTLOOPは5年で売上4.7倍・純利益37.6倍の超高成長を維持しつつ、2030年売上1,000億目標に向けて採用投資を先行。TWOSTONE&Sonsも同様に23四半期連続の主力事業売上最高値更新、ただし採用投資先行で短期利益は圧迫されている。INTLOOP分析・TWOSTONE&Sons分析を参照。
アーキタイプ③ プラットフォーム→エージェント転換 ─ クラウドワークス・ランサーズ(いずれも上場)
両社ともクラウドソーシングの先駆けだが、AIによるワーカー需要の構造変化に直面し、エージェント型への業態転換を進める。クラウドワークスは2026/9期に最大25.5億の成長投資・不採算事業整理(-10億円計画)、ランサーズもLancers Top/Agentへの拡張中。「攻めの撤退」と「業態転換」を同時に進める難局面。
アーキタイプ④ 圧倒的経営体力・ブランド ─ レバテック・パーソルHD(HiPro Tech)(非上場大手+上場プライム)
レバテック(レバレジーズ、未上場)とHiPro Tech(パーソルキャリア、東証プライム)は、それぞれ親会社の経営体力(年商数千億円~1.5兆円規模)を背景に、案件供給の安定性で他社を圧倒。「上場・非上場」の区別なく、エンジニアにとっての安心材料となる経営体力をどう確保しているかが論点。パーソルHD分析とレバテックレビューを参照。
アーキタイプ⑤ 透明性・差別化で新規参入 ─ テクヒロ・テクフリ・Findy(いずれも非上場)
非上場の中堅・新興エージェントが「マージン10%公開」「シリーズD調達でアジア進出」など、独自の訴求点で大手とは異なるポジションを確立している。テクヒロ(2023年設立)の新規登録+34%、Findy(IPO準備中)のシリーズD 20.5億円調達は、業界の新陳代謝を示す。本誌のFindyレビュー・テクヒロレビューを参照。
5つのアーキタイプが示す業界の未来
① 事業集中で収益力を回復(ギークス型)
② 採用投資先行で規模拡大(INTLOOP・TWOSTONE型)
③ プラットフォーム→エージェント転換(クラウドワークス・ランサーズ型)
④ 圧倒的な経営体力で案件供給を保証(レバテック・パーソル型)
⑤ 透明性・差別化で新規参入(テクヒロ・テクフリ・Findy型)
エンジニア側の含意は明確だ。「上場・非上場」の区別だけでサービスを選ぶのは雑すぎる。会社の戦略アーキタイプを理解して、自分のキャリアフェーズに合うパートナーを選ぶ目利き力が、これまで以上に重要になる。本誌の上場企業分析と15社比較ランキングを、エージェント選定の参考データとして活用してほしい。
15社の今後のウォッチポイント
- 上場関連7社のIR動向(7月以降):TWOSTONE&Sons 3Q決算(7月予定)の上方修正進捗、INTLOOPの2030年売上1,000億目標進捗、パーソルHD Technology SBUのAI投資効果。上場企業分析で随時アップデート
- 非上場8社の事業動向:レバテック(レバレジーズ)の年間業績発表、Findy(ファインディ)のアジア展開進捗、テクヒロ(テクノロジスト)の新規登録動向、PE-BANKの30周年記念イベント等
- 業界全体の取引慣行透明化トレンド:マージン10%公開を訴求するテクヒロ・テクフリの伸びが、業界全体の取引慣行透明化を加速するか。取適法施行(2026年1月)に向けた各社対応も注視
- AI普及によるサービス役割分担の再定義:クラウドソーシング型(クラウドワークス・ランサーズ)からエージェント型への業態転換進捗、AI関連案件比率の上昇(レバテック22,000件など)が、各社のポジションをどう変えるか
- 「経営体力 × エンジニア体験」の両軸での評価:上場・非上場を問わず、各社が「経営の持続性」と「エンジニア側の体験品質」をどう両立させているか。本誌の15社比較ランキングを継続的にアップデート
本誌は引き続き、上場・非上場を問わず15社すべてを横並びで評価する独立系メディアとしてのスタンスを維持し、エンジニアキャリアの意思決定に役立つ情報をお届けする。次回の月次レポートは2026年7月号として、これらのウォッチポイントの進捗を分析する予定。