クラウドソーシング老舗が事業転換中、収益化フェーズへ
ランサーズは、国内クラウドソーシングサービスの先駆け「Lancers」を運営する企業だ。2008年設立、秋好陽介CEOが立ち上げ、2019年12月に東証マザーズ(現グロース)へ上場。最近はクラウドソーシング型からエージェント型「Lancers Top」「Lancers Agent」へとサービスを拡張し、ハイクラスITフリーランス・エンジニア向けマッチングにも参入している。パーソルキャリア・新生銀行と資本業務提携を結ぶなど、人材業界での重要プレイヤーの一角。
ランサーズの過去5年(2022/3〜2026/3)の業績推移は、長らく続いた赤字期間からの収益化フェーズへの転換が見える。2022/3期の売上40.73億・営業赤字-3.67億から、直近2026/3期は売上54.37億・営業利益1.09億へ。売上は1.3倍程度の規模拡大、利益は黒字基調へと転換している。
| 決算期 | 売上高(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2022/3 | 40.73 | -3.67 | -9.0% |
| 2023/3 | 45.74 | 0.32 | 0.7% |
| 2024/3 | 45.74 | 0.32 | 0.7% |
| 2025/3 | 45.89 | 1.09 | 2.4% |
| 2026/3 | 54.37 | 1.09 | 2.0% |
※ FY2021/3期以前は赤字額が大きいため5年推移はFY2022/3〜FY2026/3を表示。IPO直後・赤字経営期の時価総額データは記載省略。営業利益は会社発表ベース。
売上の特徴:売上高は5年で約1.3倍と緩やか。クラウドソーシング事業の成熟と、エージェント領域(Lancers Top・Lancers Agent)の立ち上げが進行中。直近2026/3期は売上54.37億(+18.5%)と再加速の兆し。
営業利益の特徴:営業利益は2022/3期に-3.67億の大幅赤字を記録した後、2023/3期から黒字転換。2026/3期は1.09億で、利益率は2.0%まで回復。ただしクラウドワークスと同様、AI普及によるワーカー需要変化のリスクは継続する。
今後の見通し:最新本決算で売上54.37億(+18.48%)・純利益0.91億(-48.55%減)。2027年3月期は売上63億(+15.87%)・純利益2.5億(+174.73%)を計画。AI時代のクラウドソーシング再構成が論点。
エンジニア視点では、ランサーズは「クラウドソーシング老舗からエージェント型への業態転換中」の会社として理解できる。Lancers Top(ハイクラスフリーランス向け)の単価帯はSES業界の他社と比較しても遜色なく、エンド直案件も増えつつある。一方、AI普及によるクラウドソーシング受発注の構造変化リスクは、クラウドワークス同様に注視すべき。長期的な経営の方向性は秋好CEOのSNS発信や決算説明資料で確認できる。営業利益率2.0%は低水準だが、収益化フェーズへの転換期と捉えればポジティブな評価も可能。
投資参考データとしては、PER予16.89倍・PBR3.04倍で、収益性回復に賭けたバリュエーション。時価総額42億円とIPO時の130億から大きく調整済み。2027年3月期予想は売上+15.87%・純利益+174.73%と再加速見込み。ROE予17.97%は健全水準、配当利回り1.14%とインカム魅力は限定的。Lancers Topのエージェント領域でのトラクションが、株価評価のカギ。
| 指標 | 値 | 補足 |
|---|---|---|
| 株価 | 528円前後 | 2026年6月9日近辺 |
| 時価総額 | 42億円 | 2026年6月9日基準 |
| PER(予想) | 16.89倍 | 予想ベース |
| 市場 | 東証グロース | 証券コード 4484 |
本日(6/9)時価総額42億、PER予16.89倍。IPO時(2019/12)時価総額130.6億から大きく調整、安値圏で推移
本ページは公開情報(ランサーズIR各期決算短信(2026/5/15発表), irbank会社業績(連結), 日経記事(2025/8/13), みんかぶ等)をもとにSTACK REVIEW編集部が作成した事実情報の整理・分析であり、特定銘柄の売買を推奨する投資助言ではありません。数値は2026年6月10日時点の調査に基づきますが正確性を保証するものではなく、株価・時価総額は日々変動します。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。